歩きを強くする12ステップ・プログラムとは?
当施設において実施する基本プログラム「歩きを強くする12ステップ・プログラム」の触りをご紹介いたします。この内容は、6月27日、28日に開催予定のケアマネージャー対象の見学会で、ご説明しようと考えている内容です。
歩きを強くする12ステップ・プログラムとは?
高齢者の歩き方には特徴があります。そして、高齢者には、関節の変形や痛みのある方が多くみられます。
その原因は、特定の部位に過剰な負担がかかるからだと考えられます。
なぜ、特定の部位に過剰な負担がかかるようになってしまうのでしょうか?
それは、○○の働きが悪くなるからと考えています。
○○の働きが悪くなると、その働きを代償しようとして、ある動きを多用するようになり、特定の部位に過剰な負担がかかるのです。そして、時間をかけて関節の変形が進み、痛みがでるようになっていくと考えられるのです。
例えば、膝を曲げて歩いている高齢者は多くいます。膝を曲げていると、膝の靭帯がゆるんでしまい、不安定になります。すると、膝の内側の筋肉ががんばって膝を安定させようとするのです。この筋肉が硬くなると、膝が外に開くように引っ張ってしまい、いわゆるO脚になり、関節の変形につながってしまうのです。
変形した関節は戻りませんが、過剰な負担がかかって、硬くなった筋肉を緩めることはできます。また、○○の働きを活性化して、特定の部位に過剰な負担がかからないようにすることができるのです。
この○○のところに入る内容には、当施設で改善を目指す12ステップの中に含まれています。
以下に、ステップ1をご紹介いたします。
ステップ1 脊柱の伸展機構の改善

背中の力を抜くと、頭・胸・腕が前に位置して、猫背になります。この重さを支えているのは、背中の筋肉です。背中の筋肉が働かなくなると、猫背が強くなります。背中の筋肉の内、脊柱起立筋という筋肉が重要になります。
だからと言って、高齢者に背筋運動をすることはお勧めできません。それよりもまず、胸やお腹の筋肉を伸びやすくすることが先決です。それから徐々に脊柱起立筋を働かせていくのです。
このように、12ステップ・プログラムでは、①硬くなったところを緩めて身体の動きを広げていき、②弱くなったところを体操によって活性化させていきます。
当たり前の内容のようですが、実際のリハビリ現場では、時間の制約があって、これができないのです。①を20分間行えば、②はできません。②だけを行なえば、効果が出にくく、満足度も少なくなるのです。
当施設では、3時間という時間を効率よく使って、①と②を行います。そして、これに加えて、脳の働きにも関与していきます。
いつまでも、自由に歩いて、好きなところへお出かけできるように、私たちは全力で応援していきます。